決算の基本の「き」を学ぶ① ~損益計算書作成の4つの原則~
2016年11月11日 カテゴリ: その他
決算とは、会社の財政状態や経営成績を確認するために、人為的に区切った期間(通常は1年間)で会計帳簿を締め切る手続きを実施する一連の行為を指します。まずは、損益計算書作成の4つの原則から確認してみます。
損益計算書の4つの原則
損益計算書の作成にあたって、4つの大きな原則があります。
①発生主義の原則
②総額主義の原則
③費用収益対応の原則
④実現主義の原則
①発生主義の原則は「収益や費用は、現金の収入・支出とは関係なく、その発生事実に基づいて処理しなさい」という原則で、正確な期間損益計算を行うための基本中の基本です。
②総額主義の原則は「費用と収益は、それぞれ総額で記載しなさい」という原則です。
これによって正しい企業の取引規模を表すことができます。
③費用収益対応の原則は「収益と費用をその発生源泉別に分類して、相互に関連のある収益と費用を対応させて表示する」という原則です。
これは、売上高に対応する売上原価と販売費・一般管理費をそれぞれの勘定科目に分類して対応表示させるという意味です。表示上の対応も求めていますが、その前提として一定期間の収益とそれに対応する費用を厳密に対応させ、適正な利益を算出するための原則です。決算の際、実地たな卸をするのは、財産を確定させると同時に、売上に対応した売上原価を確定させる原則があるためです。
④実現主義の原則は、「収益について、収益計上の確実性や客観性を確保するために、市場で取引されるまでは収益を認識しない」原則です。
「収益が実現した」とは、販売という事実があり、対価として現金や売掛金などの貨幣資産を受領する、という2つの条件を満たした時点を指します。国内の物品販売であれば、出荷基準(発送基準)、引渡基準(着荷基準)、検収基準があり、この中から自社に最も合理的と認められる基準を選択し、毎期継続して適用します。