遺言書の内容どおりに相続してもらえないこともある
2020年1月24日 カテゴリ: 税金
遺言の内容により、相続人が相続できる財産の額やその内容が大きく異なることを設例で確認します。
相続人は長男・長女で、子2人のため
・法定相続分:1億円×1/2=5,000万円
・遺留分:1億円×1/2×1/2=2,500万円
となります(1人あたり)。
このとき、図表2①~⑤のような遺言書が残されていたとすると、長男・長女の相続財産額はそれぞれ表中のようになります。
①・②の場合、長男は、遺言書で指定された財産について相続することができますが、法定相続分までしか相続できません。
③~⑤の場合、長男は法定相続分を超えて指定された財産を相続することができます。ただし、④・⑤の場合では、遺留分の侵害額につては長女の請求により、支払わなければなりません。
①のように、「居住用不動産4,000万円を長男に相続させる」とだけ遺言書に記載すると、現金6,000万円は、図表2のとおり、長男1,000万円・長女5,000万円と分割されます。そのため、現金6,000万円を、長男と長女が1/2ずつ相続するよう希望するのであれば、その旨(長男に居住用不動産と現金3,000万円、長女に3,000万円を相続させる)も遺言書に書いておかなければなりません。
このように、遺言内容によっては、遺言者の遺志とは異なる遺産分割になる可能性があります。遺言には遺留分に留意して作成しましょう。