小さな会社の「必勝の経営術」⑤-1
2019年11月15日 カテゴリ: 経営
重要商品の決め方
自社の重要商品を決定するにあたって、多くの経営者は誤解をしています。誤解したままでは、大きく戦略を誤ります。
(1)市場規模の大きな商品を扱わない
多くの経営者は、市場規模が大きな商品を取り扱えば、売上が多くなり、利益も多くなると考えています。しかし、市場規模が大きな商品には、経営規模の大きな会社が必ず参入しています。真の経営力は「商品に投入される経営力(営業マンの数、資金など)の2乗に比例する」ため、小さな会社は大きな会社から圧迫を受けて必ず苦戦します。
(2)誰でも作れる商品には手を出さない
資金を使わないか、使ってもごくわずかであり、特別な技術を必要としない、誰にでも作れる商品に力を入れてははいけません。その理由は、経営活動の源泉である粗利益は「資金の力×戦略知識×戦術技能×仕事時間」で決まるからです。粗利益に及ぼすウエイトは、「資金の力」が4に対して、「戦略知識」「戦略技能」「仕事時間」といった「人の力」は6の割合になります。
「戦略知識」とは、経営目標を効果的に達成するための経営手法やその知恵であり、社長の術によるものです。
「戦略技能」とは、従業員の技量、技術、実行力など、従業員の術になります。
資金をほとんど使わず、戦略知識や従業員の技能に特別高いものが必要のない、誰にでも作れる商品の場合、経験則では従業員1人当たりの年間粗利益額は450万円以下になる場合が多くなります。この金額ではわずかな経常利益しか生み出せず、従業員に支払える給料が低くなるため、人手不足の時代においては、人の採用がますます難しくなります。