相続時の配偶者の権利を大幅に拡大④
2018年11月7日 カテゴリ: 法務
民法と相続税では相続財産の範囲が異なる
⑴民法では、共同相続人の中に①被相続人から遺贈を受けた者、②婚姻、養子縁組もしくは生計の資本として贈与を受けた者があるときには、被相続人が相続開始の時に有していた財産の価額にその贈与財産の価額を加えたものを計算することにしています。
遺贈や贈与を受けた相続人は、算出された相続分から遺贈や贈与の価額を差し引いた残額を相続分として受け取ることになります。これを「特別受益の持ち戻し」といいます。持ち戻す遺贈や贈与の価額は相続開始時においても、なお現状のままであるとみなして相続開始時の価額で計算をすることとされています。
⑵相続税法上は、生前贈与は贈与税を納付した上で行われており、被相続人の財産から切り離されているため、原則として相続財産に持ち戻すことはありません。ただし、相続又は遺贈により被相続人から財産を取得したものに限り、相続開始以前3年以内に被相続人から贈与等により取得した財産は相続財産に加算することとされています。