「金融検査マニュアル」廃止で中小企業の融資環境が変わる!②
2020年2月25日 カテゴリ: 金融
Q2 金融機関が企業格付けを重視した結果、どのようになったのでしょうか?
A2 以下のような融資環境が生まれてしまいました。
①融資先企業の事業内容(取引開始、ビジネスモデルなど)よりも、担保や保証が必要以上に重視されるようになり、特に運転資金などの「短期継続融資」(元本返済を要せず利子のみを支払う)が受けにくくなってしまった(形式重視=客観性)。
②事業の将来性よりも、バランスシート(過去の経営結果)の健全性が重視されるようになり、地域に必要な企業の再生支援や将来性のある事業への融資が難しくなってしまった(過去数値の重視=透明性)。
③金融機関が、融資先企業との対話よりも、個別の資産査定(格付けなど)に集中してしまい、企業の育成・発展を通じて地域経済の活性化に貢献するといった金融機関本来の役割が弱くなってしまった(部分重視=財務情報分析)。
そのため、その要因となった「金融検査マニュアル」を廃止し、これまでの融資姿勢を改めることになりました。