小さな会社の「必勝の経営術」⑧-1
2020年2月6日 カテゴリ: 経営
弱者の戦略⑪
軽装備に徹し、動きの速い会社を目指せ
(1)資金配分を見直す
軽装備な経営の一つは「資金配分」にあります。資金の配分先には、預金、売掛金、商品在庫、原料在庫、機械、設備、土地、建物、車両運搬具などがありますが、限りある資金の中で、競争力を強くするには、重要性が高いものに多くの資金を配分し、重要性が低いものは節約しなければなりません。資金繰りの安全性を高めるために、次の点に注意しましょう。
①事務所の備品類や社長の乗用車にはあまりお金をかけない。 ②工場の機械・装置などで使用頻度の 低いものは中古品や外注を利用する。 ③売掛金回収期間の短縮化を図る。 |
限りある資金を「どのような比率」で配分すれば、経営力が最も強くなって業績が良くなるのか、この見極めが必要です。これが「資金戦略」になります。
(2)固定比率と総資本回転率でチェック
資本配分は重要ですが、部分最適が必ずしも全体最適になるとは限りません。そこで、固定比率や総資本回転率をチェックし、安全性を考えた資金配分を行う必要があります。
①固定比率(%)
(固定資産+繰延資産)÷ 自己資本 × 100
機械・設備の増設を検討する際には、固定比率を計算しましょう。一般に自社の固定比率が業界平均の1.5倍あれば、資金の固定度がかなり高い状態にあり、1.7倍であれば自社の資金能力を超えた危険な状態にあるといえます。
②総資本回転率(回)
純売上高 ÷ 総資本
総資本回転率は、流動資産や固定資産に投下された総資本が売上高によって何回回収されたか、いわば資金が適正に使われているかどうかをチェックする指標です。業界平均を1とした場合に、自社の回転数が0.75であれば危険な状態といえるでしょう。このような場合は、思い切った改善が必要です。
(3)軽装備な組織をつくる
軽装備な経営のもう一つは「組織」です。それには3つの要素があります。
①粗利益を生み出す仕事に、より多くの人を配置する。 ②経理など社内で行う仕事は徹底して合理化し、作業量を少なくする。 ③役職者の数を減らし、組織の階層を少なくする。 |