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納税資金の確保策を検討しよう

2019年12月3日 カテゴリ: 消費税

 納税資金の増加については、次のような対策を検討しましょう。

(1)月次決算において納税する消費税額の推移を確認する

 ①税抜経理を採用している場合

  仮受消費税勘定と仮払消費税勘定を毎月相殺して、末払消費税勘定を計上するなど、納税額の推移を概算額で確認しましょう。

 ②税込経理を採用している場合

  販売費及び一般管理費の部に消費税等の勘定を作成し、毎月、別途計算した概算の納税額を以下の会計仕訳で計上しましょう。

(借方)消費税×× / (貸方)末払消費税等××

  このように把握した毎月の発生額を納税準備用の口座に振り替えて納税に備えましょう。

(2)予定納税の時期を管理する

 消費税の予定納税額の頻度は、前期に確定した消費税額に応じて「年11回」「年3回」「年1回」になります。事業年度のはじめに自社の予定納税時期と納税額を把握し、資金繰り表において、資金繰り項目として明確に認識しておきましょう。

(3)仮決算による中間申告を選択する

 例えば、売上が急激に減少し、予定納税の納税資金が不足するようなケースでは、一定の期限内に仮決算による中間申告を行うことで、予定納税額を減額できる場合があります。

(4)営業キャッシュ・フローを黒字化する

 営業キャッシュ・フローは「税引前利益+減価償却費―運転資金」で求められます。営業キャッシュ・フローから借入金返済額等を控除した残額が未払消費税額等を上回っていることが、当期に創出された資金で消費税等の納税を賄うことができる指標になります。利益率の向上、固定費の削減等によって、営業キャッシュ・フローの源泉となる税引前利益の増加に努めます。運転資金は「売掛債権+棚卸資産―買掛債務」であるため、売掛債権回転日数の短縮や在庫の圧縮によって、運転資金の削減を検討しましょう。

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