小さな会社の「必勝の経営術」③ー2
2019年11月8日 カテゴリ: 経営
弱者の戦略②
弱者は自社より大きな会社を攻撃しない
(1)かつての日産は攻撃目標を誤った
経営に競争は付き物です。大きな会社を攻撃目標にすると、勇ましく、格好も良く見えます。しかし、ランチェスターの法則が示すように「会社と会社の真の力関係は、ある局面に投入される経営力の2乗に比例する」ことから、経営規模の小さな会社が大きな会社を攻撃目標にした場合、大概ひどい結果になります。
かつて日産自動車はトヨタ自動車を攻撃目標にしていました。しかし、当時の日産自動車の市場占有率はトヨタ自動車の半分しかなく、1対0.5でした。その結果、従業員1人当たりの経常利益はこの2乗で1対0.25になっていました。やがてバブル経済の崩壊とともに、日産は赤字に転落しフランスのルノーに資金援助を求めたのでした。
強気な性格の社長、かつては1位だったが今は2位以下に落ちている会社の社長は、大きな相手に攻撃目標に設定する傾向が強いため、くれぐれも用心してください。
(2)”ダメな会社”を攻撃目標にせよ
どのような会社を攻撃目標にすればよいのでしょうか。一例を挙げると、社長の出勤が遅く、経営に本気で取り組んでいないような会社の顧客を狙います。このような会社の顧客は、商品の品質が悪い、納期が遅いなど、取引に不満を持っている場合が多く、そこを正攻法で開拓すれば取引できる可能性が高くなります。
次回より、弱者の戦略の「③弱者は強い会社と違った経営の差別化に力を入れよ」「④弱者は市場規模が小さな商品に力を入れよ」を解説していきます。