経営革新等支援機関認定
小柳津会計事務所

0120-951-955

平日9:00~21:00 / 土日祝9:00~18:00

小柳津会計事務所へのメールでのお問い合わせは24時間受付中

小さな会社の「必勝の経営術」③-1

2019年11月7日 カテゴリ: 経営

弱者の戦略①

弱者の社長は1位づくりに強い願望を持て

(1)小規模1位、部分1位を目標にする

 経営を続けていくためには利益の確保が欠かせません。しかし、利益の追求に走ると、本業とまったく関係のない業種であっても一見儲かりそうに見えると簡単に手を出してしまうことがあります。

 かつてバブル経済のときは、土地、株式、商品相場、外国為替など事業に関係ないものに手を出したために、30万人もの社長が経営に失敗し、大事な人生を棒に振ったといわれています。利益を生み出すために、最も重要なのは「顧客をつくる」ことです。中小企業は、顧客をつくるときに直接の対象となる「商品」「営業地域」「顧客層」において、将来1位になれそうな市場規模が小さいもの(小規模1位)、市場規模が大きいときは、その中の特定部分(部分1位)を目標にしましょう。

【事例】 半径500mの営業地域に特化して1位を目指す 

  福一不動産(福岡市)は、社長の古川隆氏が大手マンション販売会社を退職後、福岡で創業しました。はじめは、大手住宅会社の代理店として、距離や地域を問わない営業活動を続けていました。しかし、大手がやるような営業スタイルでは、町の小さな不動産屋にはあまりにも効率が悪く、顧客との継続的なつながりや自社の知名度アップを図ることができませんでした。

 そんなとき「弱者の戦略」を知り、「商品、営業地域、顧客層を限定し、そこで1位を目指す」ことに活路を見出しました。事務所を中州の一角に移して、そこから半径500m以内に営業地域を限定し、開・廃業の激しいスナックやバー、クラブの新規開店や店舗の移転に絞った営業を展開しました。 店舗の稼働率を上げるために、顧客が借りやすいように手数料や経費を見直すとともに、店の繁栄のための勉強会を開催するなど顧客に密着した営業を展開し、現在は中州の役2,300店舗の3分の1ほどが同社の仲介物件になりました。同社の営業地域はかつての100分の1ほどですが、年商は3倍にまで拡大しました。

 ランチェスター法則の応用から導きだされた市場占有率の原則によれば「市場占有率1位になって26%以上押さえ、かつ2位との間に10対6以上の差をつける」と、従業員1人当たりの経常利益は業界の2~4倍多くなります。中小企業でも、特定の商品や市場等において市場占有率1位の会社となれば、従業員1人当たりの経常利益が高くなります。

(2)1位づくりの意欲を持続させるには

 商品、営業地域、顧客層において1位になるには、会社のリーダーである社長が「何としても競争力がある強い商品をつくる。何としても同業者より多くの顧客を獲得した1位の営業地域をつくる」という、強い願望や熱意がなければなりません。社長の熱意は、1位づくりに必要な情報を呼び込むとともに、従業員にも良い影響を与え、1位づくりの達成により弾みが突きます。もちろん1位づくりには、7年や10年といった年月を要することは珍しくなく、いつの間にか、社長の意欲が薄れて、他に関心が移ってしまう恐れがあります。意欲を維持するには、1位を持っている中小企業の社長を探して、その人と交流することです。薄れかけた意欲が再び強くなります。

小柳津会計事務所WEBサイトページトップに戻る